“愛くるしい「ぶさかわ」の象徴:エキゾチックショートヘアーの魅力に迫る
つぶらな瞳にぺちゃっとした顔、短い手足で愛嬌たっぷりの仕草を見せるエキゾチックショートヘアー。ペルシャ猫の優雅さと、アメリカンショートヘアーの活発さを併せ持つ、魅力あふれる猫種です。

今回は、エキゾチックショートヘアーの歴史や性格、飼育上の注意点、気を付けたい病気などについて、詳しく解説していきます。

1. エキゾチックショートヘアーの歴史:ペルシャの血を引く短毛種
エキゾチックショートヘアーの歴史は、1950年代のアメリカに遡ります。当時、アメリカンショートヘアーのブリーディングプログラムに、ペルシャを交配させたことが、このユニークな猫種の誕生のきっかけとなりました。

当初は、アメリカンショートヘアーのシルバー系毛色を強化する目的で行われましたが、予想外にも、ペルシャの特徴である丸い顔や短い鼻、ふさふさの被毛を持つ子猫が誕生しました。

この愛らしい容姿と、穏やかで人懐っこい性格が人気を呼び、1967年には、猫種として公認されるに至りました。

2. エキゾチックショートヘアーの性格:穏やかで甘えん坊な「ぬいぐるみ」
エキゾチックショートヘアーは、「ソファに座って一緒にテレビを見るのに最適な猫」と称されるほど、穏やかで人懐っこい性格で知られています。

2-1. 愛情深く、甘えん坊
家族と過ごす時間を何より大切にする、甘えん坊な性格です。
膝の上に乗ってきて、喉をゴロゴロ鳴らしながら愛情表現をする姿は、飼い主にとって至福のひとときとなるでしょう。
2-2. 遊び好きだが、穏やか
遊び好きな一面も持ち合わせていますが、他の猫種に比べて活発さは控えめです。
短い手足でよちよちと歩く姿や、おもちゃを追いかける様子は、見ているだけで癒されます。
2-3. 環境適応能力が高い
環境や生活の変化に順応しやすく、初めて猫を飼う人にもおすすめです。
多頭飼育にも向いており、他の猫や犬とも仲良く暮らすことができます。
3. エキゾチックショートヘアーの飼育:知っておきたい5つのポイント
エキゾチックショートヘアーは、比較的飼育しやすい猫種ですが、その特徴的な容姿から、いくつか注意すべき点があります。

3-1. 毎日のブラッシングが必須
短毛種ですが、抜け毛は少なくありません。
週に数回のブラッシングに加え、換毛期には毎日ブラッシングを行い、抜け毛を取り除く必要があります。
3-2. 涙やけ対策も重要
短頭顔種のため、涙管が詰まりやすく、涙やけを起こしやすい傾向にあります。
こまめに目周りを拭いて清潔に保つことが大切です。
3-3. 肥満になりやすい体質
食欲旺盛で、運動量は比較的少ないため、肥満になりやすい傾向があります。
食事管理と適度な運動を心がけ、肥満予防に努めましょう。
3-4. 暑さ対策は万全に
短毛種で寒さには強いですが、鼻が低いため、呼吸が浅く、暑さに弱いという一面も持ち合わせています。
夏場は涼しい場所で休ませたり、こまめな水分補給を心がけるなど、熱中症対策が必要です。
3-5. 定期的な健康チェックを
遺伝的にかかりやすい病気もいくつかあります。
定期的な健康チェックを受け、早期発見・早期治療に努めましょう。
4. エキゾチックショートヘアーの気を付けたい病気:
4-1. 呼吸器疾患
短頭種気道症候群:
短頭顔種に多く見られる呼吸器疾患です。
鼻腔が狭いため、呼吸が苦しくなり、いびきや呼吸困難などの症状が現れます。
重症化すると、手術が必要になる場合もあります。
鼻涙管閉塞:
涙が鼻に流れる管が詰まってしまう病気です。
涙が常に溢れ、目ヤニが多くなる、目の周りが赤くなるなどの症状が見られます。
こまめな目周りのケアや、抗生物質の投与などの治療が行われます。
4-2. 眼疾患
進行性網膜萎縮症(PRA):
網膜が徐々に萎縮していく病気で、失明に至ることもあります。
初期は自覚症状が乏しいため、定期的な眼科検査が重要です。
角膜 sequestrum:
角膜に黒い色素が沈着し、視力低下や失明を引き起こす病気です。
原因は不明ですが、ペルシャなどの短頭種に多く見られます。
4-3. 泌尿器疾患
特発性膀胱炎:
細菌感染などが原因で起こる膀胱の炎症です。
頻尿、血尿、排尿時の痛みなどの症状が見られます。
ストレスが原因となることも多いため、環境管理も重要です。
尿石症:
尿中のミネラル成分が結晶化し、尿路に詰まってしまう病気です。
症状としては、血尿、頻尿、排尿困難などが見られます。
食事療法や、場合によっては手術が必要になることもあります。
5. 愛情と責任を持って、生涯を共にする
エキゾチックショートヘアーは、平均寿命が12〜15年と言われています。その愛らしい容姿と穏やかな性格から、多くの人を魅了する猫種ですが、その一方で、注意すべき病気も少なくありません。

健康で長生きするためには、日頃から適切な飼育管理を行うこと、そして定期的な健康チェックを受けることが重要です。

エキゾチックショートヘアーとの暮らしは、癒し と喜びに満ちたものとなるでしょう。 愛情と責任を持って、生涯にわたって寄り添っていきましょう。”